認知症介護とリメンバー・ミー

ちーたむ
ちーたむ

先祖の記憶って言っても、祖父母までくらいだったりする。母が認知症になってしまった今、祖父母の記憶はもう聞けないし、母とのこれからの記憶は認知症のことばっかりになるのかな

リメンバー・ミー

私はディズニー映画の中でリメンバー・ミーが好き
色合いといい、音楽といい
そして死者を大切な存在としているのも好き
そしてママ・ココ(おばあちゃん)は私のおばあちゃんにすごく似てる(見た目が)

この映画を見てからなのか
よく覚えてないけど
私はいつからかお墓参りとか行くようになったし
帰省すると毎日仏壇に線香をあげている(ちょっと癒されるのもある)

でもそれと同時に思う
私の人生の経験は長くて3世代までしか受け継がれないんだろうな
人生は長いようで短い、儚くて短い

私の祖母の記憶

私の祖母(母方)は102歳まで生きて、すごく多趣味だった
スケッチブックで絵を描く、短歌を添える
水戸黄門を大音量で聴きながら寝る
編み物、畑、料理
祖母の作るキャベツと卵の炒め物やじゃがいものオムレツ、
コロッケや味噌ライスコロッケ、煮物・・料理がすごく上手だった
そして、年をとって辞めてしまったけど
私が小さい頃には家に大きな機織りがあって、糸から紡いでた
糸に色を染めたりもしてた
最後の最後まで認知機能は年相応で(耳は遠いけど)
最後の最後までお経を筆ペンで紙にひたすら書き写してる趣味があった。

上の写真の下に敷いてある布団は
祖母が機織りで織った布
我が家の布団の多くは祖母が作ってた
でも、今回母が認知症になり
この布団たちを片付けても片付けても引っ張り出して
ぐちゃぐちゃにしちゃうから古いものは思い切って大量処分した
心が痛いかったけど
この記憶も長く受け継がれることがないと思うと思いきって捨てることができた

上の写真は私の娘が成人の時に実家に帰って撮った写真
祖母の時代とは違って大きくなったので
着物の袖の長さとかが合わなくて、着ることができないから
成人式はレンタルで着て、別に撮った写真
この着物、他から見たら大したことないものだけど
我が家からしたらすごく貴重な着物なんです
何がって、祖母が糸から紡いで機織りして作った布で作った着物
私たちの代は3人娘のうち私以外が着て
私の娘の代は、うちの娘しか着てない

これも、私の代で価値が終わってしまうんじゃないかと思う
そして、これを着て喜んでくれるはずの母はもう認知症だから
着ても何の意味もないように思えてしまう

母が認知症じゃなかったら
母の孫娘たちが成人するたびにこの着物を出してきて
話題に出たかもしれない(あと2人孫娘が残ってる)
母の料理や祖母の料理をもっと聞いて
受け継げたかもしれない
でもそれもできなくなってしまった

たらればの話だし
ないものねだりの話だけど
母が認知症になって色々な記憶について考えるようになっちゃった

残された記憶

これは母が海外旅行に行った写真
花が好きで高山植物に興味を持ち出して
山登りが好きになって、写真に興味を持ち出して
海外に興味を持ち出して・・・
中国の自然の美しさに興味を持って、中国語を習い始めて・・・
でも、海外旅行、写真家さんたちのツアーだから
父は行ってない
母はこれらの全ての記憶が無い
稀に良いと覚えてるのかな?最近聞いてもダメだったけど

家には無惨に積まれた写真がたくさんあるけど
もう、それを説明できる人が認知症だから
見返すこともない
でも、処分はできない

やっぱり、たらればな話だけど
あの時もっと話聞いてあげれたら良かったな
もっと母の手料理として色々聞いておけば良かったな