老老介護 父のずれた思考回路

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ちーたむ
ちーたむ

母が認知症になって、今まで介入しなくても良かった実家。でも、母のことで色々介入することで、小さな問題が見えてきた。社会問題の縮図を見ているよう・・・

いろんな病院にかかる父

今までは分からないけど
今年の冬、異常なまでに父の身体の掻痒感がひどく
全身掻きむしった跡というか、出血している箇所があった
それでどうやら病院にかかったらしい
そして、寝る前の内服薬が処方されたけど
皮膚の病気だからって飲まなくて、痒くて寝れないって文句を言う
結局寝る前の薬飲むようにしてもらったら、痒みが少し和らいだし
かき傷も減った
そして、この前の帰省で
塗り薬を背中に塗ってほしいって言われたけど
私は塗りたく無いから、「塗り薬準備するから、母お願い」って
機嫌のいい母にお願いして塗ってもらうことに
塗り薬が置いてある袋に手を伸ばすと・・・
ん?・・・・朝・夕の内服薬が皮膚科から出てる
おや?・・・前は眠前だったよね??
あれ?・・・病院名が両方とも違う???どう言うこと??????
って父を問い詰めたら
塗り薬が切れそうで、たまたま循環器かかる日だったから
総合病院でついでに皮膚科にも受診して、診てもらったって。
いやいや・・・塗り薬もジェネリックに変わってるし
内服薬も違うし・・・・飲むタイミングも変わってる・・・
父的には病院ならどこでも一緒でしょ??って
眠前の薬が飲み終わったら、朝・夕に切り替えるって判断
どう考えても、眠前の方が父はきちんと飲むし
前の状態を知る病院にかからないと、治癒傾向なのか不変なのかも分からない
それに、いろんな病院かかって薬が処方されて訳がわからなくなる。
こう言うことの積み重ねが、
父が何かあった時に、家の薬を探す時とかの混乱の原因になる
今は父さえわかってればいいけど
自分の都合で、自己判断でいろんな病院にかかるっていう判断が嫌い

私は、今は退職したばっかりだけど
数十年医療従事者として働いて
よく、内服薬を大きな紙袋一杯に持ってくる患者さんがいて
それを理解するのがすごく大変だったから
そんな縮図を見たような気がする

病院受診はまな板の鯉 

そして、去年から不整脈で治療したり
意識消失の原因を知るために埋め込み型心臓モニターを入れている
今年は大腸がんと診断されて2回家族も呼ばれて医師から説明があった
2回目は外科の先生に初めて会って具体的な手術の話
医師「過去に手術は?」
父「20歳の時に太ももの手術しました。あと頸です」
って、去年の治療した話をしてくれない・・・
私「血管内ですけどアブレーションしてます。意識消失の時の心電図波形見る時のレコーダーのようなものも入ってます。」
医師「ペースメーカーですか?」
父「そうです!!」
私「違います。ここの循環器の先生から大学病院紹介されて、アブレーションと機械埋め込みました」
医師、カルテ見て、理解してもらえた。
帰りに父は、「どうせまな板の鯉だから先生に全て任せておけばいいよね」的な発言にイライラ・・・


これは歳も高齢だから仕方ないけど
百歩譲って、血管内治療を手術だと思わないのはいい
でも、心臓の治療で機械を埋めた=ペースメーカーとかは違う
父もしゃべる時間がちゃんとあれば、きちんと説明するんだけど
色々端折っちゃうから、適当に言ってしまう
適当に言ってもそんなに違いないでしょ??的な感じ
医師に全てお任せしてるから「はい はい」って言ってればいいみたいなことも
聞いたことがあって、怒ったけど
自分の身体でしょ??ってすごく思ってイライラしてしまう

医療従事者の家族

今は仕事を辞めたばっかだけど、国家資格はある
医療従事者の私は何でも全て知ってると思ってる
医者じゃないし、それぞれの専門性があるからわからないことだっていっぱいある
でも、父に質問されて、知ってることは応えるし
知らないことは、「調べたらこう書いてあったよ」って説明して分かる範囲答えてる

何が嫌って
父「お母さんの血糖って幾つくらい??」
父「お母さんの血圧ってどのくらい??」
ん??私・・・今まで一度も父から母の検査結果見せてもらったこと無いけど??
血圧はディサービスで測ってるから、父の方が把握してるのでは?
こんなことまで、知ってると思ってる

外科の先生からの話の時も
父「今日入院の日が決まるの?」
父「今日も追加の検査あるの?」
ん??私は父と同席して、以前内科の先生の話を聞いた以外に情報が無い
私だって、そんなこと知るはずが無い
病院勤務=どこの病院も同じって考え
私「どうなんだろうね」って返すしかない
もしくは、質問ではなくて、「入院決まるかなぁ・・」とかなら許せたのかもしれない
認知症母に寛容な私は、父には厳しい

ネット情報の信者

睡眠薬を飲むと認知症になるから不眠だけど酒飲んで寝てる
何かのネットで、睡眠薬は認知症になると見たらしい
だから、不眠でも我慢してるらしい。酒飲んで寝てるらしい
ってことが、遠距離介護で帰ることで見えてきた。
そして、良質な睡眠ができないまま過ごすから
中途半端に睡魔が急に襲ってきて
昼でも夕方でも無刺激になるといびきをかいて寝る
医師から、ちゃんと睡眠薬は処方されてるし
心配なら毎日飲まなきゃいい
週に一回でも睡眠薬飲んででもしっかり睡眠して
脳を休ませた方がいい
でも、私の言うことよりもネットの情報は勝つから
都合のいいことしか、私の言うことは聞かない
この前は、睡眠不足や不眠症が認知症のリスクを高めるみたいな記事をネットから検索して読ませた
そしたら、その日は睡眠薬飲んで、ぐっすり寝たみたい

父はネット信者ですぐネットで調べる
しかも、自分の都合の良い検索ワードだから
都合の良い解釈の結果になるようになる

他にも、書けないけど色々間違った情報を解釈して実行してた
何がって、ネットの理解できる部分だけ読んで勝手解釈も多いから怖い
それが時には医師が言ったことよりネットを信じる時があるから怖い
それで医師が間違ってるとか言ってる時があるけど
ある意味解釈の違いだったりすることもあったりする

認知症母を意思決定の同席者にしようとする判断

これは前にも書いたけど、医師から手術の説明で2回病院に行かなきゃいけなかった時
遠方の娘に来てもらうのは悪い
父の身体は自分で責任を持つっていうか医師に全てお任せ
だから、体裁だけでも整えれば良い=認知症母を同席させよう
って思って、私たちにそう言ってた
もちろん私はふざけないでよって怒ったけど
認知症母を同席させても
こちらが認知症だと言わなければ、それなりに成り立ってたのは事実
母は見た目では認知症だとわからない
適当な相槌が絶妙にうまい

例えば
医師「今まで父の手術とかは?」って聞かれても
母「私ではわかりません」って答えればそれまで。
医師「父の飲んでる薬は?」
母「私ではわかりません」って答えれば、お互い把握してないんだと思うだけ
医師「質問はありますか?」
母「大丈夫です」
こんな会話は容易に想像できる。母は口数は少なく、即答だけは達者そして、絶妙な笑顔
基本母は外面はしっかりしてるので、父の話の同席だったら気付かれない。
これが母自身のことになれば、何も答えられないことがおかしいから「あれ?」ってなるけど
だから、父が安易に同席させる態度が怒れてしまった
娘が同席したから良かったけど
父の自分ではよくわからないから病院に全てお任せしますっていう無責任スタンス

勝手解釈

もともと重大な病気もなかったから
勝手解釈でも何とかなってた
薬がちゃんと飲んでなくても何とかなってた
自己判断でやってきたけど、今まではそんなに影響がなかった
でも歳とってきたから、そこに理解力が少し年相応にきちゃうから
間違ってしまうし、それが誰も分からない
追い討ちをかけるようにネットはすごく便利になったし
情報だけは検索すればいくらでも出てくる
勝手解釈も数打てば当たってくるぐらいになって
自分で正当性を言ってくる
間違ってることを指摘したら
「ネットに書いてあったような・・・」で済んでしまう
世の中の情報社会が、全ての人にとって都合よく便利になってしまったのかな

まだ、そんなに大きな問題はないし
老老介護なんてそんなもの
気になってしまってはキリがないけど
無関心だった実家に一歩足を踏み入れると、
今まで大丈夫だったり、正常だと思ってたことが違うことが分かってくる
遠距離介護の見えない闇は踏み込んでやっと見えてくる

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